矯正歯科

マウスピース矯正中の食事で注意した方が良いこと

マウスピース矯正中の食事の注意

マウスピース矯正はワイヤー矯正とは違って取り外しが可能なため、食事のたびに外す必要があります。外した時には洗うなどの正しい取り扱いをしないと、虫歯や歯周病のリスクが高まるので注意が必要です。マウスピース矯正中の食事の際に気を付けるべきポイントについてご説明します。

マウスピース矯正中の食事制限について

食事

マウスピース矯正(インビザラインなど)を行っている患者さんは、マウスピースを装着したまま食事を摂ることはできません。食べ物がマウスピースの中に詰まり、歯や歯茎に悪影響を与えるだけでなく、マウスピース自体も破損する可能性があります。そのため、必ず食事前に外すようにしましょう。

さらに、飲み物に関しても同様で、水以外の飲み物はマウスピースに着色や歪みを引き起こす可能性があるため、装着中は水以外の飲み物は控えるべきです。炭酸飲料やジュース、コーヒー、紅茶、アルコール類は特に注意が必要です。糖分や酸が含まれている飲み物は、虫歯のリスクを高めることにつながります。

顎矯正手術直後の経口的食事・栄養摂取状況の調査 (jst.go.jp)

飲食前後のマウスピースの取り外しと管理方法

インビザライン

食事をする際は、マウスピースを必ず取り外す必要があります。取り外した時は、専用のケースに保管しておくと紛失を防げます。また、無造作に置いてしまうと、細菌が付着しやすくなり、再装着時にお口の中にトラブルを引き起こす可能性があるため注意が必要です。

食事後には、しっかりと歯磨きを行い、歯垢を取り除いた状態で再装着することが重要です。食後の歯磨きを怠ると、食べ物の残りや酸がマウスピース内に入り込み、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

  • 食事の際は必ず外す。
  • 取り外したマウスピースは専用のケースに保管する。
  • 無造作に置くと菌が付着し、口のトラブルの原因となる。
  • 食後は歯磨きをしっかり行い、歯垢を取り除く。
  • 歯磨きを怠ると虫歯や歯周病のリスクが高まる。

歯磨き後にマウスピースも洗いましょう

マウスピースを洗う
  1. 歯磨き後はマウスピースも清掃する。
  2. 専用の洗浄剤を使用し、ブラシで軽くこする。
  3. 毎日洗浄することが、長持ちにも繋がります。

避けるべき食べ物と飲み物の種類

マウスピース矯正中は、特定の食べ物や飲み物を避けることで、歯やマウスピースへのダメージを最小限に抑えることができます。以下のような食品や飲み物は控えるようにしましょう。

避けるべき食品

ナッツ
  • 硬いもの(ナッツ、氷、飴など)
  • スティッキーな食品(キャラメル、ガムなど)
  • 着色の強い食品(カレー、トマトソースなど)

避けるべき飲み物

コーヒー
  • 炭酸飲料
  • コーヒーや紅茶(特に無糖でも注意が必要)
  • ワインやジュース

これらの食品や飲み物は、マウスピースや歯に着色を引き起こしたり、破損させる可能性があるため、特に注意してください。

1. 硬い食べ物

硬い食べ物はマウスピースに物理的なダメージを与える可能性があります。装着中に食べてしまうと、割れたり、変形してしまうことがあるため注意が必要です。また、マウスピースを外して食べた場合でも、食べた後に十分なケアをしないと、食べ物のかけらが歯に残り、虫歯や歯周病を引き起こすリスクが高まります。

避けるべき食品の例

  • 氷、ナッツ類
  • 硬いクラッカーやビスケット
  • 飴、キャラメル

2. 粘着性のある食べ物

キャラメル

粘着性のある食べ物は歯に強く付着し、取り除きにくいものです。マウスピースを外して食べた場合でも、歯に残った食べ物がマウスピース内で圧縮され、虫歯のリスクを高めます。また、粘着性のある食べ物はマウスピース自体に絡まり、破損や変形の原因となることがあります。

避けるべき食品の例

  • ガム
  • キャラメル
  • グミやキャンディ

3. 着色しやすい食べ物や飲み物

赤ワイン

マウスピースは透明で目立たないのが特徴ですが、着色しやすい食品や飲み物を摂ると、装置や歯に色がついてしまい、透明感が損なわれる可能性があります。特に、コーヒーや紅茶、赤ワインなどの飲み物は色素が濃く、歯やマウスピースに影響を与えやすいです。

避けるべき飲み物の例

  • コーヒー、紅茶
  • 赤ワイン
  • カレーやトマトソースなどの着色性の高い食品

4. 酸性の飲み物

オレンジ

酸性の飲み物は、歯のエナメル質を弱め、虫歯や歯の摩耗の原因となる可能性があります。マウスピースを装着している間に酸性の飲み物を摂取すると、酸が装置内部に閉じ込められ、さらに悪影響を与えるリスクが高まります。

避けるべき酸性の飲み物の例

  • 炭酸飲料
  • フルーツジュース(特に柑橘系)
  • エナジードリンク

5. 糖分の多い飲み物や食べ物

アイスクリーム

糖分が多い食品や飲み物は、虫歯の原因になる細菌の栄養源となりやすいため、特に注意が必要です。マウスピースを装着したまま糖分を含む飲み物を摂取すると、虫歯のリスクが高まるだけでなく、歯の表面に歯垢が蓄積し、歯周病を引き起こすこともあります。

避けるべき食品・飲み物の例

  • 炭酸飲料やスポーツドリンク
  • 甘いスナック菓子
  • デザート類(ケーキ、クッキー、アイスクリームなど)

矯正中に摂取する食べ物や飲み物の選択は、矯正の成功に大きな影響を与えます。硬い食べ物は装置の破損につながり、糖分や酸を含む飲み物は虫歯や歯周病を引き起こすリスクが高まります。

また、着色しやすい食品や飲み物を避けることで、マウスピースの透明感を保ち、見た目にも気を使うことができます。日常生活でこれらのポイントに注意することで、矯正治療をスムーズに進めることができるでしょう。

食後のケアと口腔内の清潔を保つ方法

歯磨き食後のケアが非常に重要です。矯正中は、通常よりも口腔内の衛生状態を意識する必要があります。以下のケアを徹底することで、虫歯や歯周病のリスクを低減できます。

  • 歯磨き・・食後は必ず歯磨きを行い、食べ物の残りカスを取り除きましょう。
  • デンタルフロスや歯間ブラシ・・歯磨きだけでは届かない部分を清掃するため、これらのツールを活用することが推奨されます。
  • マウスウォッシュ・・口腔内を清潔に保つために、殺菌効果のあるマウスウォッシュを併用するのも効果的です。

外食時の工夫と気を付けるポイント

歯磨き

外出中や外食時は、矯正中の食事に一層の注意が求められます。以下のポイントを意識することで、外食時の不便さを減らすことができます。

  • 携帯用の歯磨きセット・・外食先でも歯磨きができるよう、旅行用の歯磨きセットを携帯しましょう。
  • 保管ケースを持ち歩く・・外出時でもマウスピースを安全に保管するため、専用ケースを忘れずに持参します。
  • 外食後の歯磨きが難しい場合・・どうしても歯磨きができない場合は、少なくとも口を水でしっかりとすすぐことが大切です。これにより、食べ物の残りをある程度除去できます。

食事後の装着時間を守る重要性

時計

マウスピース矯正の効果を最大限に引き出すためには、毎日20〜22時間の装着が推奨されています。しかし、食事のたびに取り外すため、装着時間が短くなりがちです。特に、食事が長引いたり、外食で装着を忘れると、矯正効果が低下する可能性があるため注意が必要です。

装着時間を守るための工夫

  • 食事を効率的に済ませ、できるだけ早くマウスピースを装着する。
  • 飲食後すぐに歯磨きを行う習慣をつける。
  • スマホのリマインダー機能を使って、装着時間を管理する。

まとめ

マウスピース矯正中の食事に関する注意点を守ることは、矯正治療の成功に欠かせない重要なポイントです。食事のたびに取り外し、適切なケアを行うことで、口腔内の健康を維持しながら、計画通りに矯正治療を進めることができます。

この記事の監修者

医療法人真摯会
西宮クローバー歯科・矯正歯科 院長
廣石 勝也
朝日大学歯学部卒業。大阪歯科大学総合診療科臨床研修終了。国際口腔インプラント学会会員。

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