インプラント

インプラントを長持ちさせる方法とは?

インプラントを長持ちさせる方法とは?

インプラント治療を検討されている患者さんの中には、「インプラントは一生使えるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか?では、インプラントをできるだけ長持ちさせるためには、どのようなケアや習慣が必要なのでしょうか。インプラントを長く快適に使い続けるためのポイントをご説明します。

実は、インプラントは適切なケアを行うことで10年、20年、さらには一生使い続けることも可能です。しかし、ケアを怠ると数年でトラブルが発生することもあります。特に、インプラント周囲炎という病気になると、歯茎が腫れたり、骨が溶けたりして、最悪の場合インプラントが脱落してしまうこともあるのです。

インプラントはどのくらい長持ちするのか?

インプラント治療を検討されている患者さんの中には、「インプラントはどのくらいの期間持つの?」と気になる方も多いのではないでしょうか?実は、適切なケアを行えば10年、20年、さらには一生使い続けることも可能なのです。

しかし、ケアを怠ると数年でトラブルが発生することもあります。特にインプラント周囲炎という病気になってしまうと、最悪の場合インプラントが抜け落ちることもあるのです。では、インプラントを長持ちさせるには、どのようなケアが必要なのでしょうか?

インプラントを長持ちさせるための基本的なケアのポイント

インプラントを長く使うためには、毎日の適切なケアが欠かせません。天然歯とは違い、インプラントには神経がないため、トラブルが起きても痛みや違和感を感じにくい特徴があります。

そのため、気づかないうちに細菌が増殖し、インプラント周囲炎などのリスクが高まる可能性があります。こうしたトラブルを防ぎ、インプラントを長持ちさせるためには、日々の徹底したケアが非常に重要です。

では、どのようなケアを行うべきなのか、具体的なポイントを解説していきます。

1. 歯磨きを丁寧に行う

歯磨きは、インプラントを長持ちさせるための最も基本的で重要なケアです。歯垢が溜まると、インプラント周囲の歯茎に炎症が起こり、インプラント周囲炎を引き起こす可能性があります。インプラント周囲炎は進行するとインプラントが支えを失い、最悪の場合抜け落ちてしまうこともあります。

正しい歯磨きのポイント

柔らかめの歯ブラシを使用する

硬い歯ブラシを使うと、インプラント周辺の歯茎を傷つけてしまうことがある
歯茎を優しくマッサージするように磨くことが重要

歯ブラシの毛先をインプラントの根元にしっかり当てる

インプラントの周囲に汚れが残りやすいため、毛先をしっかり当てる
歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、細かく動かしながら磨く

歯磨き粉は研磨剤の少ないものを選ぶ

研磨剤が多いと、被せ物の表面を傷つけ、細菌が付着しやすくなる
フッ素入りの低研磨性歯磨き粉が適している

また、歯磨きの際は「磨いているつもり」ではなく、「磨けているか」を意識することが大切です。特にインプラントは人工物のため、天然歯と比べて細菌が付着しやすい性質があります。歯磨きをする際には、鏡を見ながら細かい部分までしっかりと磨くことを心がけましょう。

ポイント
歯垢が溜まるとインプラント周囲炎のリスクが高まる

柔らかめの歯ブラシを使い、やさしく磨く
歯磨き粉は研磨剤が少ないものを選ぶ

2. デンタルフロスや歯間ブラシを活用する

歯ブラシだけでは、歯と歯の間の細かい汚れを十分に落とすことができません。特にインプラントの周囲は天然歯と比べて細菌が溜まりやすいため、デンタルフロスや歯間ブラシを使って徹底的に清掃することが大切です。

フロスや歯間ブラシの活用ポイント

デンタルフロス

インプラント周囲の歯垢を効果的に除去できる
ゆっくりと前後に動かしながら、歯とインプラントの境目にしっかり入れる

歯間ブラシ

インプラント周囲に隙間がある場合、フロスよりも効果的な場合がある
サイズの合ったものを使い、無理に押し込まないように注意

「フロスや歯間ブラシを使わないとどうなるの?」
フロスや歯間ブラシを使わずにいると、歯と歯の間に汚れが残りやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが高まります。また、インプラント周囲炎は初期の段階では自覚症状がほとんどなく、気づいた時にはかなり進行していることもあります。そのため、フロスや歯間ブラシを使う習慣をつけることが、インプラントを長持ちさせるためには不可欠です。

ポイント
デンタルフロスや歯間ブラシを活用する

歯と歯の間やインプラント周辺の汚れをしっかり除去
フロスや歯間ブラシを使わないと、細菌が増えやすい**

3. 抗菌性のある洗口液を使う

歯磨きやフロスに加えて、抗菌性のある洗口液を使うとさらに効果的です。洗口液を使用することで、口腔内の細菌を減らし、インプラント周囲の炎症リスクを軽減できます。

洗口液を選ぶ際のポイント

アルコール成分が少ないものを選ぶ

アルコールが多いと、口の中が乾燥しやすくなる
乾燥すると細菌が繁殖しやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが高まる

殺菌作用のある成分が含まれているか確認する

クロルヘキシジンや塩化セチルピリジニウム(CPC)などが含まれているものが効果的

毎日の習慣として取り入れる

歯磨き後に使用することで、細菌の増殖を防ぎ、口腔環境を清潔に保つことができる

「洗口液だけで大丈夫?」

洗口液はあくまでも補助的なケアです。歯磨きやフロスをしっかり行ったうえで洗口液を使うことが大切です。洗口液だけでは、歯垢を完全に除去することはできません。毎日のルーティンに組み込むことで、より効果的にインプラントを守ることができます。

ポイント
抗菌性のある洗口液を使う

口腔内の細菌を減らし、清潔に保つ
アルコール成分の少ないものを選ぶと口腔内の乾燥を防げる

このように、インプラントを長持ちさせるためには、日々のケアをしっかりと行うことが不可欠です。特に歯磨き・フロス・洗口液の3つを組み合わせた口腔ケアを徹底することで、インプラント周囲炎を防ぎ、インプラントの寿命を大幅に延ばすことができます。

インプラントは天然歯と違い、一度トラブルが起こると自然に回復することはありません。だからこそ、毎日の適切なケアを習慣化し、歯科医院でのメンテナンスと併せて、長く健康な状態を維持することが大切です。

インプラントを守るための食生活のポイント

インプラントを長持ちさせるためには、食生活にも注意が必要です。特に、以下の点に気をつけましょう。

気をつけたい食生活のポイント

硬すぎる食べ物を避ける

硬いおせんべいや氷を噛むと、インプラントや被せ物が破損する可能性がある

粘着性のある食べ物を控える

キャラメルやガムはインプラントに負担をかける

バランスの取れた食事を心がける

カルシウムやビタミンDを意識的に摂取することで、骨の健康を保てる

過度なアルコールや喫煙を避ける

血行が悪くなり、インプラントの定着に悪影響を与える

日頃から食生活を意識することで、インプラントだけでなく口腔全体の健康を保つことができます。

定期的なメンテナンスと健診の重要性

どれだけ自宅でしっかりケアしても、歯科医院でのメンテナンスは必須です。定期的に歯科医院でチェックを受けることで、トラブルの早期発見が可能になります。

定期的な健診でチェックするポイント

インプラントのグラつきはないか?
インプラント周囲の歯茎が炎症を起こしていないか?
歯垢や歯石の付着がないか?

メンテナンスの頻度

3〜6ヶ月に1回のペースで健診を受けるのが理想
インプラントを長持ちさせるためには、プロによるクリーニングも重要

歯科医院での定期的なチェックを怠ると、知らない間にインプラント周囲炎が進行してしまうこともあります。長く快適に使うために、しっかりメンテナンスを受けましょう。

インプラントに負担をかける習慣とは?

インプラントを長持ちさせるためには、避けるべき習慣もあります。

避けるべき習慣

歯ぎしり・食いしばり

インプラントに大きな負担がかかり、破損や緩みの原因になる
ナイトガード(マウスピース)を使用するのがおすすめ

喫煙

血流が悪くなり、インプラントの定着が不安定になる
インプラント周囲炎のリスクが高まる

口腔内の乾燥

唾液が少ないと細菌が増えやすくなり、感染リスクが上がる
こまめに水分補給をして口内を潤すことが大切

これらの習慣を改善することで、インプラントの寿命を大幅に延ばすことができます。

まとめ

インプラントを長持ちさせるためには、日々のケア・食生活・定期健診・悪習慣の改善が重要です。

インプラントを長持ちさせるためのポイント

毎日の丁寧な歯磨きとフロスの活用
バランスの取れた食事と硬すぎる食べ物の回避
3〜6ヶ月に1回の定期健診でトラブルの早期発見
歯ぎしりや喫煙などの負担を減らす

「せっかく入れたインプラント、できるだけ長く使いたい」と思われる患者さんも多いはず。しっかりとしたケアを続けることで、インプラントを健康的に保つことができますよ。

この記事の監修者

医療法人真摯会
西宮クローバー歯科・矯正歯科 院長
廣石 勝也
朝日大学歯学部卒業。大阪歯科大学総合診療科臨床研修終了。国際口腔インプラント学会会員。

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