子供が歯ぎしりの音が気になるというパパやママはおられるでしょう。子供が歯ぎしりを行う原因やどのタイミングで受診すべきか、予防策はないのか等含めてご紹介いたします。
子供が歯ぎしりをする原因は?
子どもの歯ぎしりは、上下の前歯が生えそろってくる生後8カ月ごろから中学生になるまで続くことがあります。上顎と下顎の歯を合わせる音や、ギリギリと削れるような大きな音は、一緒に生活をしているととても心配になるでしょう。子供の歯ぎしりは段階に応じて行われ、成長途中のあごの位置決めや、永久歯のためのスペースを作る自然な過程で起こる場合と、心理的なストレスが原因で起こる場合があります。
1.歯が生えてむずむずする乳児期
乳歯が生え始めると歯の生え始めをむずがゆく感じ、生後半年から生後8ヶ月くらいに歯ぎしりを起こすことがあります。乳歯が生え揃ってくると回数は減る傾向にあります。歯固めの玩具を渡すと、おもちゃに夢中になり、ほとんどの場合、歯ぎしりを行わなくなります。
2.歯の生える位置や顎の位置を決める乳幼児期
乳幼児期の歯ぎしりは、歯の位置を決めたり、歯の使い方や顎のトレーニングを行っていると考えましょう。上下の歯をしっかりと噛み合わせたり、噛みしめることは生理的な現象でそこまで心配する必要はない場合が殆どです。
3.永久歯の生えるスペースを確保する生え変わり期
6歳前後になると乳歯の奥に永久歯が生え始める年齢です。6歳臼歯が生えると生え変わりの時期となり、顎がきちんと成長しなければ永久歯が出てくるスペースがありません。そのために歯をカチカチと合わせて顎の広さを整えることがあります。
4.噛み合わせのバランスを取っている混合歯列期
混合歯列期は乳歯と永久歯がお口の中に並んでいることから、噛み合わせが難しい状態です。噛み合わせの調整のために歯ぎしりを行うことがあり、顎を成長させる要因にもなります。
ストレスや睡眠不足が原因の場合は要注意!
子供でもストレスや睡眠不足などの心理的な原因で歯ぎしりをするケースがあります。
- 歯ぎしりを長い間行っている
- 日中にあくびをする
- 寝起きが悪い
- ぼーっとしていることが多い
子供の歯ぎしりは受診すべき?
歯ぎしりを長期間継続していると、下記のような影響を及ぼすことがあります。
- 上下の歯を食いしばり、ギリギリと動かすため、咬合面のすり減りや欠けを起こす
- 強い力がかかかるため、歯肉が炎症を起こす可能性がある
- 左右の顎関節に負担がかかるため、顎関節症のリスクがある
激しい歯ぎしりを長期間行うと、歯や歯肉や顎にダメージを与えます。歯への影響に不安を感じた場合は、歯科医院を受診して診断を受けましょう。特に、永久歯に対する影響には注意が必要です。中学生になってもまだ行う場合は、なるべく早めに歯科へ通院してください。
子供の歯ぎしりを日常的に予防するためには
子供の歯ぎしりを治療することは出来ませんが、日常的に予防するためには、下記のことに注意しましょう。
- 普段から姿勢を良くする
- 食べ物をしっかりと噛む
- 横向き、うつ伏せで寝ない
- ストレスを減らしてあげる
1. 普段から姿勢を良くする
背中が丸まっている猫背の状態では、首の筋肉に必要以上の力がかかり、歯ぎしりの原因になります。また、頬杖をつくと左右差が生じるため、顎関節や顎の歪みにつながります。
2. 食べ物をしっかりと全部の歯で噛む
食べ物が柔らかく加工されていることが多い現代ですが、一口当たりの咀嚼をしっかりと行うと、顎が成長します。噛み応えのある根菜類やりんごなどを取り入れて、噛む習慣をつけておくことが大切です。片側だけで噛んでしまうと顎や筋肉の発達に左右差が生じるため、左右均等に噛むように注意してあげましょう。
3. 横向き、うつ伏せで寝ない
横に向いて寝たり、うつ伏せで寝ると片側の頬に力がかかり、歯列に影響を及ぼします。仰向けに寝るのが歯や顎には影響を及ぼさない寝方です。
4. ストレスを減らしてあげる
子供は日々の周囲の変化に敏感です。子供がストレスを溜めていることに気づいたら、なるべく多く会話をしたり、一緒に遊ぶなどのスキンシップを取りましょう。親が気にかけてくれていると感じ取れれば、子供はストレスを軽減できることがあります。
子供の歯ぎしりに関するQ&A
成長過程や心理的要因から発生することがあります。乳児期には、歯の生え始めによるむずむず感や、顎の位置決め、永久歯のためのスペース確保などの自然な理由があります。成長期には噛み合わせを調整するために行われることも多いです。しかし、ストレスや睡眠不足が原因で歯ぎしりをする場合もあり、その際は適切な対応が必要です。
長期間続く場合は、受診を検討すべきです。特に咬合面のすり減りや欠け、歯肉の炎症、顎関節への負担などの症状が見られる場合は注意が必要です。中学生になっても続く場合や、症状が顕著であれば、歯科医師の診断を受け、適切な治療やアドバイスを受けることが望ましいです。
子供の歯ぎしりが続くと、健康に影響を与えることがあります。咬合面がすり減ったり欠けたり、歯肉が炎症を起こす可能性があります。また、顎関節への負担が大きくなり、顎関節症のリスクが高まることもあります。これらの影響は、歯周組織や顎にダメージを与えるため、長期間行っている場合は早めに対処する必要があります。
まとめ
子供にとって歯ぎしりはあごや歯の成長において、生理的な現象の場合が多いです。しかし、長時間ギリギリと食いしばりを続けていたり、他の行動(あくびや寝起きの悪さ)などが伴う場合は、歯科医院を受診することをおすすめします。