審美歯科

セラミックの歯の寿命はどのくらい?

セラミックの歯の寿命はどのくらい?

自然な見た目と優れた機能性を兼ね備えたセラミックの歯は、多くの人々に選ばれる審美歯科の治療法です。被せ物の材質を何にするか検討している方や、すでに施術を受けた方へ、セラミックの被せ物の特徴や寿命、そして長持ちさせるためのケア方法についてご説明します。

セラミックの歯とは?その特徴について

セラミッククラウン

セラミッククラウンは、主に陶材で作られている人工の被せ物のことです。見た目が天然歯に非常に近いことから、虫歯や変色などの問題を解決するために使用され、審美性と機能性を兼ね備えた優れた治療オプションとして知られています。

セラミックの主なメリットには以下のようなものがあります。

  1. 自然な見た目・・光の透過性が高く、天然歯のような輝きを再現できます。
  2. 耐久性・・適切なケアを行えば長期間使用することができる。
  3. 生体適合性・・金属アレルギーの心配がなく、体に優しい。
  4. 変色しにくい・・コーヒーや茶渋、タバコなどによる着色に強い。
  5. 熱伝導性が低い・・温度をあまり伝えないため、温度変化による不快感が少ない。

セラミックの歯の平均寿命

セラミックの歯の寿命は、個人のお口の環境や生活習慣、ケアの状態によって大きく異なりますが、一般的には10年から15年程度と言われています。ただし、適切なケアと定期的なメンテナンスを行うことで、20年以上使用できるケースも珍しくありません。

セラミックの寿命は、使用する材料や技工士の製作技術、装着方法によっても変わってきます。セラミックの被せ物は、従来のものよりも耐久性が高く、寿命が延びる傾向にあります。

しかし、他の材質の被せ物と同じく永久的に使えるものではなく、定期的な点検と必要に応じた交換が重要です。

セラミックの歯の寿命に影響を与える要因

被せ物の寿命には、さまざまな要因が影響を与えます。主な要因として以下のようなものがあげられます。

1. 口腔衛生状態

適切な歯磨きやフロス使用などの口腔ケアが不十分な場合、被せ物の周りに細菌が蓄積し、歯周病や虫歯のリスクが高まります。これにより、寿命が短くなる可能性があります。

2. 咬合力と噛み締め

噛み締め、食いしばり、歯ぎしりは、セラミックの被せ物に過度な負担をかけ、割れや破損のリスクを高めます。特に就寝時の歯ぎしりは、自分では止められないため、気づかないうちに歯を傷めてしまう可能性があります。

3. 食習慣

硬い食べ物や氷を噛む習慣は、セラミックの被せ物に悪影響を与える可能性があります。特に神経を抜いている場合は、あまり硬すぎる食べ物は避けるようにしましょう。

4. 喫煙

喫煙は口腔内の環境を悪化させ、歯周病のリスクを高めます。タバコに含まれる有害物質の影響で血流が悪くなるため、骨などの歯周組織が弱まり、寿命が短くなる可能性があります。

5. 全身の健康状態

糖尿病などの全身疾患は、口腔内の健康にも影響を与え、結果として被せ物の寿命にも影響する可能性があります。

6. 製作技術と材質

高品質の材料を使用し、熟練した技工士によって製作されたセラミッククラウンは、フィット感が良く、一般的に寿命が長くなります。

7. 装着方法

セラミッククラウンの装着方法や接着剤の品質も、その寿命に大きく影響します。適切な技術で装着された場合は、長期間安定した状態を保つことができます。

これらの要因を理解し、適切に管理することで、被せ物の寿命を延ばすことが可能です。

長持ちさせるためのケア方法

洗面台

セラミックの被せ物を長く使用するためには、適切なケアが不可欠です。以下に、被せ物を長持ちさせるためのケア方法をご紹介します。

1. 毎日の丁寧な歯磨き

セラミックの被せ物も天然歯と同様に、毎日の丁寧な歯磨きが重要です。歯ブラシは柔らかめのものを選び、歯と歯茎の境目を意識して優しく磨きましょう。

2. フロスの使用

被せ物と天然歯の間、または被せ物をした歯同士の間もデンタルフロスを使用して清掃することが大切です。フロスを使用する際は、強く当てすぎないように、そして強く引っ張りすぎないよう注意しましょう。

3. 定期的な歯科健診

3~6ヶ月に1回程度、定期的に受診し、セラミックの被せ物の状態をチェックしてもらいましょう。早期に問題を発見し、対処することで、大きなトラブルを防ぐことができます。

4. ナイトガードの使用

就寝時の歯ぎしりがある場合は、歯科医師に相談してナイトガードを作成してもらいましょう。これにより、セラミックへの過度な負担を軽減することができます。

5. 硬い食べ物や氷を噛まない

セラミックの被せ物に過度な力がかかる硬い食べ物や氷を噛む習慣は控えましょう。これらは、被せ物に亀裂や欠けを引き起こす可能性があります。

6. 酸性度の高い食品・飲料の摂取後のケア

酸性度の高い食品や飲料を摂取した後は、すぐに水でうがいをするか、可能であれば歯磨きをしましょう。酸によるセラミックの表面の劣化を防ぐことができます。

7. 禁煙

喫煙は口腔内の環境を悪化させ、セラミックの寿命にも悪影響を与えます。禁煙することで、口腔内の健康を維持し、被せ物を長持ちさせることができます。

8. 適切な歯磨き剤の選択

研磨剤の強い歯磨き粉は、セラミックの表面を傷つける可能性があります。

9. 定期的なクリーニング

クリニックで行うクリーニングは、セラミックの被せ物の周りに蓄積した歯垢や歯石を除去し、口腔内を清潔に保つのに効果的です。

10. ストレス管理

ストレスは無意識の歯ぎしりや噛みしめの原因となることがあります。ストレス管理を行い、セラミックへの過度な負担を避けましょう。

これらのケア方法を日常的に実践することで、セラミックの寿命を延ばし、長期間にわたって美しい笑顔を維持することができます。

まとめ

セラミックは、その自然な見た目と優れた機能性をもつ被せ物です。一般的に10年から15年程度の寿命があり、適切なケアと定期的なメンテナンスを行うことで、20年以上使用できるケースも少なくありません。

セラミックの被せ物を長持ちさせるためには、毎日の丁寧な歯磨きやフロスの使用、定期的な健診、適切な食生活などが重要です。特に、硬い食べ物や氷を噛む習慣を避け、就寝時の歯ぎしり対策としてナイトガードを使用するなど、細やかな注意が必要です。

この記事の監修者

医療法人真摯会
西宮クローバー歯科・矯正歯科 院長
廣石 勝也
朝日大学歯学部卒業。大阪歯科大学総合診療科臨床研修終了。国際口腔インプラント学会会員。

▶プロフィールを見る