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乳歯の虫歯に注意が必要な理由とは?

乳歯の虫歯に注意が必要な理由とは?

乳歯は一時的なもので、虫歯になってもその後生え変わるから大事にしなくても大丈夫と思っておられる方もおられます。しかし実際には、子供の成長と発達において非常に重要な役割を果たしていますので、ご説明します。

乳歯の役割とその重要性

乳歯は子供の成長において重要な役割を果たしています。乳歯の役割とその重要性を理解することは、子供のお口の健康を維持するために大変重要です。歯の具体的な役割とその重要性は以下のようなものです。

1. 咀嚼機能の確保

乳歯は食物を噛み砕くための重要な役割を担っています。

消化の助け

食物を細かく噛み砕くことで、胃や腸での消化を助けます。乳歯が健康でないと、食物を十分に噛むことができず、消化不良や栄養吸収の効率が低下する可能性があります。

食事の楽しさ

乳歯が健康であれば、様々な食材を楽しむことができ、食事の楽しさが増します。これにより、食欲が増し、バランスの取れた食事を摂ることができます。

2. 発音の補助

乳歯は正しい発音をするために重要な役割を果たします。

言葉の発達

乳歯が正しく並んでいることで、舌や唇の動きがスムーズになり、正しい発音が可能になります。乳歯が欠けたり、虫歯で痛みがあると、発音が不明瞭になり、言葉の発達に影響を及ぼすことがあります。

コミュニケーションの向上

正しい発音ができることで、子供は自信を持って話すことができ、コミュニケーション能力が向上します。これにより、社会性の発達にも良い影響を与えます。

3. 永久歯のガイドとなる

乳歯は永久歯が正しい位置に生えるための道標となります。

スペースの確保

乳歯が正常な位置にあることで、永久歯が生えるためのスペースが確保されます。乳歯が早期に抜けたり、虫歯で崩れると、隣の歯が移動し、永久歯が生えるスペースが不足することがあります。これにより、歯並びが悪くなり、将来的に矯正治療が必要になることがあります。

正常な成長促進

乳歯が正しい位置にあることで、顎の骨や顔の骨の正常な成長が促進されます。乳歯が健康であることは、顔の対称性や美しさにも影響を与えます。

4. 咀嚼と栄養摂取

乳歯が健康であることは、子供の全身の健康にも影響を与えます。

バランスの取れた食事

乳歯が健康であることで、様々な食材をしっかりと噛むことができ、バランスの取れた食事を摂ることができます。これにより、成長に必要な栄養素を十分に摂取することができます。

食事の楽しさ

乳歯が健康であれば、食事を楽しむことができ、食事の時間が楽しいものになります。これにより、食事に対する興味や意欲が高まり、食習慣の形成にも良い影響を与えます。

5. 心理的な安心感

乳歯の健康は、子供の心理的な安心感にもつながります。

自信の向上

乳歯が健康であれば、笑顔に自信を持つことができます。これにより、友達との交流や学校生活で積極的に行動することができ、自己肯定感が向上します。

痛みや不快感の回避

乳歯が健康であれば、虫歯や歯の痛みによる不快感を避けることができ、日常生活を快適に過ごすことができます。

以上のように、乳歯の健康であることは、その後生えて来る永久歯の健康にも直結し、子供の全身の健康や心理的な発達にも大きな影響を与えます。

乳歯の虫歯の影響

乳歯の虫歯は子供のお口の健康にさまざまな問題を引き起こす可能性があります。以下にその影響をあげます。

痛みと不快感

乳歯は柔らかいため、虫歯の進行が速く、進行するにつれて強い痛みを引き起こします。これにより子供は以下のような影響を受けることがあります。

食事が困難になる

虫歯の痛みが原因で固い食べ物や冷たい飲み物を避けるようになり、偏食になることがあります。これにより栄養不足や成長の遅れが生じる可能性があります。

睡眠障害を起こすことがある

夜間に痛みが増すことが多く、睡眠不足になることがあります。十分な睡眠が取れないと、日中の活動や集中力に影響を与え、学業や遊びに支障をきたすこともあります。

永久歯への影響

乳歯の虫歯が進行すると、これから生えて来る永久歯にも影響を及ぼす可能性があります。以下にその具体例を示します。

歯並びの異常

乳歯が虫歯で早期に抜けると、隣接する歯が移動してきて、永久歯が正しい位置に生えるスペースが不足することがあります。これにより、歯並びが悪くなり、将来的に矯正治療が必要になる可能性があります。

永久歯の形成不全

乳歯の根の下で形成中の永久歯に虫歯の感染が広がると、永久歯のエナメル質や象牙質が正常に形成されないことがあります。その結果、永久歯が弱くなり、虫歯や歯の欠けるリスクが高まります。

全身的な健康リスク

乳歯の虫歯を放置すると、口腔内の感染が全身に広がるリスクがあります。

細菌感染

虫歯が進行し、歯髄(神経)に達すると、細菌が血流に乗って全身に広がることがあります。これにより、深刻な感染症を引き起こすことがあります。

慢性炎症

口腔内の慢性的な炎症が続くと、全身の免疫系に負担がかかり、他の健康問題(例:心臓病、糖尿病)のリスクが高まる可能性があります。

心理的影響

乳歯の虫歯は子供の心理にも大きな影響を与えることがあります。

自尊心の低下

前歯の虫歯が目立つと、笑顔を見せることを避けるようになり、自尊心が低下することがあります。その結果、社交的な場面での不安やストレスが増加する可能性があります。

歯科恐怖症の発症

痛みや不快な治療経験がトラウマとなり、将来的に歯科医院に対する恐怖感が強くなることがあります。その結果、歯科治療を受けることを避けるようになり、口腔内の健康維持が困難になることがあります。

学業への影響

乳歯の虫歯が進行すると、学業にも影響を与えることがあります。

集中力の低下

痛みや不快感により、授業中の集中力が低下することがあります。これにより、学習の効率が悪くなり、成績に影響を及ぼすことがあります。

欠席の増加

虫歯の痛みや治療のために学校を欠席することが増えると、学習の遅れが生じることがあります。また、欠席が多いと、友人関係にも影響を与える可能性があります。

このように、乳歯の虫歯は子供のお口の中だけでなく、全身の健康や心理、学業に至るまで様々な影響を及ぼす可能性があります。

まとめ

乳歯の虫歯は一時的な問題ではなく、永久歯の健康、全身の健康、そして子供の心理的な発達にまで影響を及ぼします。乳歯の虫歯を予防し、早期に治療することで、子供の快適な生活と健やかな成長をサポートすることができます。

この記事の監修者

医療法人真摯会
西宮クローバー歯科・矯正歯科 院長
廣石 勝也
朝日大学歯学部卒業。大阪歯科大学総合診療科臨床研修終了。国際口腔インプラント学会会員。

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