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子供の歯並びを良くする方法を教えて

子供の歯並びを良くする方法を教えて

子供の歯並びを良くするには、歯並びを悪くするような癖を行わないようにすることが大切です。子供の歯並びを悪くする癖の主なものは「指しゃぶり」と「口呼吸」です。「指しゃぶり」と「口呼吸」を防いで歯並びをよくする方法についてご説明します。

子供の歯並びを良くする重要性とは?

子供の歯並びが良くなることは、見た目だけでなく、全身の健康にも大きく影響します。正しい歯並びは、噛み合わせを良くし、食べ物をしっかり噛むことで消化吸収を助ける役割を果たします。つまり、良い歯並びは子供の成長に深く関わっているということです。

また、口の中の歯垢が溜まりにくくなるため、虫歯や歯周病の予防にもつながります。さらに、歯並びが良くなることで、発音の改善や自信を持って笑顔を見せられるようになるなど、子供に良い影響を与えます。

子供の歯並びを悪くする原因とは?

歯並びが悪くなる原因にはさまざまなものがありますが、主に以下の要素が関係しています。

  • 遺伝的な要因
  • 乳歯の時期における指しゃぶりや舌癖
  • 口呼吸
  • 歯磨きやケアが不十分で、虫歯が発生した結果、乳歯が早期に抜ける
  • 栄養バランスの乱れによる顎の発育不足

これらの要因が複合的に絡み合うことで、歯並びが悪くなりやすくなります。特に、親としては早い段階で子供の習慣を見直し、歯並びに悪影響を与えないようにすることが重要です。

「指しゃぶり」や「口呼吸」を防ぐ方法

子供の歯並びを考える際に気をつけなければならないことは、「指しゃぶり」「口呼吸」等の癖があるかどうかです。これらはどちらも子供の歯並びに悪い影響を与えますので、行わないようにしましょう。

指しゃぶり

指しゃぶり

指しゃぶりの癖をなくす方法

1. 指しゃぶりの原因を明らかにする

子供が指しゃぶりをするのは安心や心地よさを求めている場合や、何かに飽きた時に行う場合があります。

2. 代替行動を与える

おもちゃや絵本などを手に持たせて遊びに夢中にさせることで、指を口にもっていかないようにさせると効果があります。

3. 指を口に入れると不快感を与えるようにする

指に塗ると苦い味がする植物由来のマニキュアなど、市販されているものを利用するという方法があります。

指しゃぶりを続けた場合に歯並びはどうなる

指しゃぶりを継続的に行っていると以下のような影響が考えられます。

1. 出っ歯(上顎前突)になる

指しゃぶりを行うと上の前歯の裏に指が当たって、その力で上の前歯が前方へと押されて「出っ歯(上顎前突)」になる可能性があります。

2. 開咬になる

指しゃぶりをしていると上下の前歯の間に指が入って上下の前歯が接触せずに開いた状態になります。その結果、奥歯を噛んだ時に前歯が上下に開いた「開咬」になる可能性があります。

3. 前歯がねじれる

指しゃぶりをしている指の位置や方向によって、歯に特定の方向の力がかかり、その結果歯の位置が斜めにねじれてしまう可能性があります。

口呼吸

口呼吸

口呼吸の癖をなくす方法

1. 口呼吸の原因を明らかにする

アレルギーや鼻の疾患、扁桃腺の腫れなどによって口呼吸が起こっている場合は、まずそれを治療しましょう。

2. 鼻呼吸のトレーニング

鼻で息を吸い、ゆっくりと口で息を吐き出す鼻呼吸をするトレーニングを行います。

3. 口を閉じる習慣をつける

食べたり話したりする時以外は口を閉じる習慣を身につけることが大切です。夜間に口が開かないように口に貼るテープが市販されています。

4. 口呼吸を治すためのマウスピースを使用する

子供の口呼吸を治すために、夜間と昼間1時間だけマウスピースを装着させるという治療法があります。

口呼吸を続けた場合に歯並びはどうなる

1. 上顎の狭窄により出っ歯になる

口呼吸を続けていると上顎が狭くなって出っ歯になる傾向があります。舌が上顎を押す刺激が少ないため、上顎の発育が阻害されるためです。

2. 下顎が後退して出っ歯に見える

口呼吸をすると下顎の成長が妨げられて下顎が後退する可能性があります。上顎に比べて下顎が後退しているため、出っ歯に見えてしまうことがあります。

3. 上下の前歯が接触しないと開咬になる

口呼吸でいつも口を開けていると、上下の歯が接触せずに開いてしまい、開咬になる場合があります。

4. 低位舌(ていいぜつ)によって受け口になる

口呼吸を続けると、舌の位置が低くなり、低位舌と呼ばれる状態になることが多いです。舌の位置が低く、無意識のうちに舌で下の前歯を押してしまうと、下顎の過成長や下の前歯が前突して受け口(下顎前突)になる可能性があります。

指しゃぶりと口呼吸が歯並びに与える影響

影響 指しゃぶり 口呼吸
出っ歯(上顎前突) 指が上の前歯を前に押す 上顎が狭くなる、下顎が後退する
開咬 指が上下の前歯の間に入る 口が常に開いている
前歯のねじれ 指が特定の方向に力をかける 舌の位置が低くなり、歯を押す
受け口(下顎前突) 該当なし 舌が下の前歯を押すことで下顎が前に出る

姿勢や舌の位置が歯並びに与える影響

日常の姿勢や舌の位置も歯並びに影響を与えます。特に、姿勢が悪いと顎に余分な負担がかかり、歯並びが乱れやすくなります。また、舌の位置が常に前に出ている場合、前歯が押し出されてしまう可能性があります。

姿勢の改善方法

  • 正しい座り方を心がける
  • 長時間のスマホやゲームは控える
  • 日常的に背筋を伸ばす意識を持つ

まとめ

歯のイラスト2

子供の歯並びは、成長や生活の質にも大きく影響します。「指しゃぶり」や「口呼吸」等の癖の早期改善や予防は、子供の歯並びをきれいに整えるために重要です。既にこれらの癖がある場合は、子供の歯が永久歯に生え変わる迄にはなくすようにしましょう。

この記事の監修者

医療法人真摯会
西宮クローバー歯科・矯正歯科 院長
廣石 勝也
朝日大学歯学部卒業。大阪歯科大学総合診療科臨床研修終了。国際口腔インプラント学会会員。

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