定期健診では、歯の健康状態を総合的に確認し、クリーニングします。
お口の中の状態を確認することは、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療につながります。
口内のクリーニングをすることで、毎日のブラッシングでは取り除けないプラーク(虫歯や歯周病の原因となる歯垢などの細菌の塊)の除去や、フッ素塗布などの予防処置なども行います。
このような時は定期健診を受けましょう。
虫歯の有無を確認し、もし虫歯があった場合は、削らずに予防処置をするのか削って治療するのか、どういう治療をするのが適切なのかをお伝えします。
● フッ素塗布
フッ素は歯を強くし、虫歯菌の働きを抑制してくれます。効果は約三か月持続すると言われています。
▲ 脱灰と再石灰化
● シーラント
歯には溝があり、歯ブラシが当たりにくい箇所には菌や食べかすが詰まりやすく虫歯になりやすいのですが、あらかじめその溝を埋めるのがシーラント処理です。
溝を埋めることで虫歯の原因を取り除けるのと同時に、シーラントにはフッ素が含まれているので、虫歯を予防する効果もあります。
歯周病の検査では歯周ポケットの深さ、歯茎からの出血の有無、歯の動揺度(グラグラしていないか)などを調べます。
一般的に歯周ポケットが深くなるほど進行していると考えられるため、歯肉の入り口から隙間の底の部分までの長さを測り、重症度を判定します。
また、デジタルカメラでお口の中を撮影し、状態を記録します。
状況に応じてレントゲン撮影を行うこともあります。
検査の結果、歯周病であれば進行具合にあわせて治療します。
歯に付着した歯石やプラーク(歯垢)、ステイン(着色汚れ)など、日ごろのブラッシングでは取りきれない汚れを除去し、お口の中をきれいにします。クリーニングは虫歯や歯周病の予防にも効果があります。
当院では“エアフロープロフィラキシスマスター(エアフロー)”という機器を用いてクリーニングを行います。
ご自宅でのブラッシングの方法や歯ブラシ・フロスの使い方などをお伝えさせていただきます。
お悩みなどもお聞きしますので、なんでも遠慮なくご相談ください。
歯科医院で受けられる歯のクリーニング方法のひとつです。
エアフローは、非常に微細なパウダー粒子をジェット水流で歯に吹き付けることで、歯やインプラントの表面を傷つけることなく、プラーク(歯垢)やステイン(着色汚れ)を効果的に除去することが出来ます。
また、歯に付着したバイオフィルムという虫歯や歯周病の原因となる細菌も除去出来るため、これらの予防に最適です。
● 高い清掃効果
歯周ポケットの清掃では、器具では届かない深さにまでアプローチ出来るため、より確実に歯周病を治療・予防出来ます。
また、頑固な着色汚れやヤニもしっかり落とすことが可能です。
● スピーディー
細かい部分まで効率的にクリーニング出来るため、短時間で済みます。
● 低刺激
ジェット水流と微粒子パウダーを使用するので、従来の研磨剤による「擦り落とすクリーニング」に比べて歯や人工歯を傷つけにくく、優しくクリーニングすることが可能です。また、インプラント周囲・矯正器具やブラケット周囲にも低侵襲でアプローチすることが出来ます。
● 歯石や着色が着きにくくなる
クリーニング後は歯の表面がツルツルになるので、歯石や着色の再付着の予防になります。
● お子さんにも使用可能
エリスリトール(砂糖の代替甘味料)を使用しているので、お子さんにも使用することが出来ます。
● 保険適用
当院では、エアフローによるクリーニングを保険診療で行っています。安心してご来院ください。
定期健診にお越しいただくことで自分では気づかなかった初期の虫歯や歯周病の早期発見が可能です。
早い段階で治療出来れば、お身体への負担や治療費を抑えることが出来ます。
歯を失う原因の約7割は虫歯と歯周病です。
定期的に検診を受けることで虫歯や歯周病がない状態を維持することが出来、結果的に多くの歯を残すことが出来ます。
歯周病はお口の病気ですが、お口の中だけにとどまらず、全身に影響を与えることがわかっています。
歯周病菌や炎症物質が血液を介して体内を回り、全身に悪影響を及ぼします。
糖尿病を悪化させ、心筋梗塞や骨粗鬆症、低体重児出産、認知症、大腸がんなどのリスクを増加させることがわかっています。
定期健診でお口をケアし、ご自身の身を守りましょう。
男女共の平均寿命が80歳を超える超高齢社会で、健康寿命を伸ばすことはとても重要です。
そして寿命と健康寿命を縮める鍵が残存歯数だといわれています。
ある研究によると歯の本数と認知症に関係があり、歯の本数が減ると脳への刺激が減り認知症のリスクが高まるという結果が出ています。
他には、高齢者に関する研究で、歯の本数が多い人は要介護の期間が短かったということがわかっています。
「健診に行くと、その分お金がかかるんじゃ…」と思われがちですが、実は定期健診に通っている方が医療費を抑えられるという結果が出ています。
「3か月に1回の定期健診に来られる方」と「歯が痛くなったり、腫れたりしてから通院する方」の治療費を比較した図です。80年間という長い年月の中で約3倍もの差(金額にして284万円)が出ています。
歯科健診を受診する方が、結果として金銭的負担を抑えることが出来、なおかつ歯を健康に保つことができます。
●自分の歯を長く使うことが出来る…歯を失う原因の7割は虫歯と歯周病です。健診を受けることが虫歯・歯周病の予防につながり、年齢を重ねてもご自身の歯でお食事を楽しむことが出来ます。
●全身の疾患の予防になる…近年の研究で、お口の病気と全身の病気が関係していることがわかってきました。特に歯周病は、狭心症・心筋梗塞、糖尿病、脳梗塞、がん、早産・低体重児の出産などと関連していると報告されています。
歯周病を早期発見することは全身疾患の予防にもつながります。
●健康寿命を伸ばすことになる…自分の歯が多く残っている程、健康寿命が長くなることがわかっています。噛む力が衰えると免疫力や筋力が低下するだけでなく、認知機能も低下し、要介護になる傾向が強くなることがわかっています。